作成日:2006年 6月 4日
科学・技術概論 2006
中間テストの採点結果、よりよいコミュニケーションにための受講生と教員のコメント
(中間試験結果の概要)
平均点 70.0点、 最高点 100点 ・・・ 2名
(受講生のコメント1)
説明や解説を、もう少しかみくだいて教えて欲しい。難しすぎて分かりにくい。難しい用語は、あまり使わないで欲しい。
(教員の回答1)
私は、この科学技術概論の授業を、いくつかの大学で講義して6年になります。
この間、みなさんの志向によって、どのあたりに難しさを感じるのかについて、理解があると思っています。これまで、みんさんが興味を持たなかった分野については、はじめて聞く言葉も多いと思います。わからない言葉が少しあっただけで、大部分がわからなくなってしまうような状況や不安に陥ることもありますね。
もう少しかみくだいた解説をしてほしいとの要望について承りました。限られた授業時間の中で、できるだけ多くの人に、多様なものを伝えたいとの思いが、解説を簡略にしてしまっているのかもしれません。ぜひ、授業中に、質問やコメントをして、「今の解説の部分を、より詳細に説明してください」
など、発言してください。この科目の最初の授業でも言いましたように、授業中に発言いただければ、喜んで、かみくだいた説明をしたいです。また、授業の最後に、私が、
「何か質問、言いたいことがありましたら、言って帰ってください」
といつも言っております。ぜひ、遠慮なさらずに言ってください。
難しい用語の使用についてですが、私は、受講生にとって聞きなれない専門用語も使い続けようと思います。それが教育の一部だと信じているからです。たとえ話をします。
わからない言葉、聞いたことのない用語を無くして、簡単な言葉や用語だけで複雑な学問を教えることは可能です。しかし、その複雑さが増すにしたがって、複雑な一つのことを説明するのに、簡単な用語だけを用いると、簡単かもしれませんが、たいへんにたくさんの用語を使わなくていけません。しかし、勉強することによって、新しい概念、用語などを修得し活用すると、複雑な一つのことを説明するのに、わずかな用語を使用するだけで済みます。どうですか。聞きなれない新しい用語を修得してみる努力が必要だと思いませんか。
社会生活や職業専門人としてのキャリアを積重ねて行くとき、必ず、次々と創出されたり、出会ったりする用語や概念とともに成長しなければ、様々な観点で非効率な場合があります。ぜひ、各人にとって新しい用語や概念に出会ったならば、積極的に修得する努力をしてほしいと思います。そして、自ら、新しい概念などを創造できる人材になることを祈っております。
私が仕事でお世話になっている小田原勝夫先生(にいがた産業創造機構・産学連携コーディネータ)が、大学生との議論の中でこのようなことをおっしゃっていました。
「私が学校を卒業して、ナノテクノロジーの分野の仕事をするようになったとき、あらゆる用語、概念がさっぱりわからなかった。そのとき、本を買って読んだ。その本には、当然、わからない用語ばかりだった。そのわからない用語を一つ一つ調べた。そのうち、少しは、ナノテクノロジーのことがわかるようになった。でも、まだまだわかならいことがあった。学会へ行って、質問をすることもした。専門家である大学教授を訪問し、質問することもした。そんなことを粘り強くやっているうちに、最初は何もわからなかったナノテクノロジーの分野で仕事ができるまでになった」
いかがですか。小田原先生のお話の中に、わからない概念や用語を理解するための一つの方法が示されていますね。
ぜひ、大学生として、いろんな努力をしてみてください。
(受講生のコメント2)
試験の結果の通り、むづかしい学問だと思います。言葉が抽象的?で、何かとなじみにくい感じです。概論だからしょうがないでしょうが、具体的な事だともう少しわかる様に思う。
(教員の回答2)
そのような状況で授業を聞かれていたのですね。ぜひ、授業中に質問などをしてください。私は、たくさんの事例を紹介するほどの経験や知見がないこともありますが、そのような時には、経験と知見の豊富な現代教養コースのみなさんの中から、いい解説が出てくるかもしれません。
(受講生のコメント3)
先生の解説はそのまま、私の考えとまではいわなくても、そのまま私の知識となります。
公平正なものの見方、大きな視点での見方を習得したいと思っています。そのヒントをいつも下さい。投げかけて下さい。
いつも“針”を扱って、ささいな事に、こだわるような、自分であるようにも思います。考えること、いつも、こんな方面から、ものをみたら、考えたらとご指導下さい。
(教員の回答3)
私には過大なご要望な部分もあるとも思いますが、いろいろな視点で解説できるようにも知見を深め続けていきたいと思います。
授業中に意識することの多いことがあります。それは、講師である私が、比較的に工学分野に精通した人物であり、受講者のみなさんは人文社会学のようなイメージの分野を志向されて入学された現代教養コースの学生であることです。異性人である講師の話を聞き、みなさんが共鳴したり、異議があったり、様々な感想を持つことに、この授業は、二次的ながら最高の価値を持っているのではないかと感じています。この授業の価値を高めるためにも、相互に異性人同士である講師と受講生がコミュニケーションをとりながら、質疑応答を持ちながら、授業を進めていくことが重要ですね。
質問やコメントをしやすい雰囲気について試行錯誤しながら、授業を進めたいと思います。
(受講生のコメント4)
授業自体は興味深く聴いていたつもりでしたが、テストを受けてみると、あまりしっかりと覚えてはいず、ショックです。
(教員の回答4)
そうですよね。現代教養コースの皆さんのかなり多くが、しっかりと授業を聴講しているように感じておりますが、自分の思いほどにテストの点数に結びつかない事例も少なくないようですね。あまりショックを受けず、これからも、がんばってください。
シラバスに記述してあるように、テストだけでなく、授業での質疑応答の活発さや授業を通して啓発を受けた事項について自主的な課題提出などについても、成績評価の対象となります。できるだけ現代教養コースのみなさんの多様性を活かした評価方法を確立したいと思っていますので、評価方法の提案も歓迎します。
(受講生のコメント5)
科学と聞くと私にはむずかしいものとしていましたが、この授業を受け、自分の回りの身近な所にも科学と言えるものがあると思いました。
先生の授業は、話がとてもおもしろく、分かりやすいと思います。授業が終わってから、おもしろいだけでなく、読み直したり、説明をその時、その時のメモが大事だとこのテストで実感しました。あの時、聞いたなと思っても書けませんでした。
(教員の回答5)
コメントから、授業を聴いて、しっかりと勉強されているご様子をうかがうことができます。今回の実感を、いろいろな場面で活かされてご活躍ください。
(受講生のコメント6)
授業の内容は密度も濃く、興味、関心のあるものである。
スライドによる説明だと、ノートに記述するのは大変である。資料(スライドの内容)をプリントしていただけると助かる。私の場合は、インターネットの技術を持っていないので。
(教員の回答6)
ぜひ、この授業を履修する機会を活用して、インターネットの活用術を身につけてくださればと存じます。おそらく、この授業を履修されている方は、多くが、この春に福島大学へ入学された方だと思います。入学した最初の年に、ITを活用した効率的、効果的な学習のスタイルも、一度、身に付けてください。
教材のインターネット配信をサービスとして実施しておりますが、さらなるプリントの配布については、諸般の事情によりご容赦ください。また、ITの活用を身に付ける方法以外にも、同級生の中には、インターネットからプリントしている人も見受けられます。ぜひ、大学内のご友人を増やされ、プリントをコピーさせてもらったり、いろいろな大学生としての工夫を試みてください。
(受講生のコメント7)
できれば、今の日本の科学技術が簡単に一目でわかるビデオなどがあれば見たいです。あと、うっかり信じ込んでしまっていた科学のウソとホントを教えてください。
(教員の回答7)
放送などのメディアを楽しんでいらっしゃるようですね。一目でわかるビデオの存在は知りませんが、NHK殿の制作された「電子立国日本の自叙伝」、「新・電子立国」などは、いつ見ても興味深いですね。それと、この授業で興味を持たれたのであれば、科学技術白書もぜひお目通しされるといいと思います。
うっかり信じ込んでしまっていた科学のウソとホントについてですが、講師も信じ込んでおりますので、ウソであっても気づいておりませんね。このようなユーモアに欠ける講師で恐縮です。
(受講生のコメント8)
重要な語句と、その簡単な説明をまとめたプリントなど、いただけたら嬉しいです。
(教員の回答8)
それを制作すること自身が勉強ですね。いいものを提案されましたですね。そうです。そういうものがあればいいですよね。ぜひ、自作されて、科学技術に対する理解を深めてください。ご自身で作成されましたら、たいへんに勉強になると思います。そういったものを作成され、勉強されているということであれば、成績評価において考慮させていただきたいと思います。
(受講生のコメント9)
正直に言って科学について無知すぎて先生のおっしゃっていることの半分も理解できていない状態です。先生の授業は、基本的なことは知っているということが前提でレベルの高いお話をなさっているのでついていけません。。。
(教員の回答9)
ぜひ、ついてこられるように、勉強をしてください。(教員の回答1)を、ぜひ、ご一読ください。
また、例えば、講師の解説は、日本経済新聞の科学技術や産業のところを読めるようになるくらいになれば、そんなに難しいことではありません。大学生としての教養を養うためにも、新聞を読む際に、科学技術や産業分野の記事も目を通して理解する努力を継続してください。かならず、この授業のレベル程度のことは、理解できるようになると考えています。
(受講生のコメント10)
授業での説明があいまいな時がある。例を用いて説明される事が多いので実際はよくわからない時が多い。テストが難しい。
(教員の回答10)
授業で意図してあいまいに説明していると思われるときがあります。ぜひ、みなさんに考察してほしいときです。そのように、みなさんに考えてもらいたい状況ではなく、あいまいな解説だと思われましたら、ぜひ、質問してください。
この科目の最初の授業でも言いましたように、授業中に発言いただければ、喜んで、ご理解いただけるように説明をしたいです。また、授業の最後に、私が、
「何か質問、言いたいことがありましたら、言って帰ってください」
といつも言っております。ぜひ、遠慮なさらずに言ってください。
テストは難しかったですか?ぜひ、次回の期末テストをがんばってください。シラバスに記述してあるように、テストだけでなく、授業での質疑応答の活発さや授業を通して啓発を受けた事項について自主的な課題提出などについても、成績評価の対象となります。できるだけ現代教養コースのみなさんの多様性を活かした評価をしたいと思っています。がんばってください。
(受講生のコメント11)
今回は油断しすぎました。来週からは、もう少し真面目に取り組みたいと思います。
(教員の回答11)
油断されましたか。。。授業の90分を何気なく過ごしても90分、何かを学ぼうと真剣に過ごしても90分です。どうせ同じ90分なら、楽しく、何かを学ぼうとがんばった方がいいですよね。その積み重ねが、数ヵ月後、数年後、大きく効いてくることを、私たちは知っていますものね。でも、あなたのコメントから、これからの努力と明るい未来が感じられます。ぜひ、いいコミュニケーションを持って、科学技術概論を勉強していきましょう。